寅子石

蓮田市馬込字辻谷の共同墓地に、通称「寅子石(とらこいし)」と呼ばれている板碑があります。この地域に「昔、この付近の長者の寅子というたいへん器量よしの一人娘がいた。近在の若者からの縁談がひきもきらず、胸を痛めるようになってしまった。そして、自らの命を絶ってしまった。若者たちは大いに悔い悩み、寅子の供養塔を建てた」という悲しい伝説が残されており、これに因んで、3月8日の寅子の命日には、辻谷の女性たちを中心に寅子供養が今でも行なわれています。
板碑では県内2番目の大きさを誇り、地上の高さ約4mで、長瀞町野上下郷の応安2年(1369)銘板碑の地上高約5m)に次ぐものです。板碑に関して埼玉県は質・量とも全国でも屈指のものであり、この二つが全国でも大きさの上位であることは間違いありません。昭和40年3月16日、県指定有形文化財・考古資料に指定されました。そこに刻まれた文字から、延慶4年(1311年)に唯願という者が真仏法師の報恩供養のために建立したものであることがわかります。蓮台上には「南無阿弥陀仏」の字が大きく刻み込まれています。また背面に「銭已上佰五十貫」の刻銘があり、建立に銭百五十貫を要したと考えられます。
真仏は親鸞の後継者として、親鸞帰洛後の関東教団をリードしたと考えられている親鸞の高弟です。なぜ、蓮田に真仏法師の報恩供養塔があるのかよくわかりません。建立者の唯願についても真仏の門弟と考えられているようですが、はっきりしていません。

><

はすだの歴史を観る

黒浜貝塚 元荒川の桜 芥川龍之介の撰文碑 黒浜沼
寅子石 久伊豆神社 円空仏 閏戸の式三番
山ノ神沼 見沼代用水 綾瀬貝塚 蓮田市文化財展示館
関山貝塚 高虫氷川神社彫刻 伊豆島の大蛇 備前堤


   
     トップページに戻る